「スウェディッシュマッサージ総覧」

1「スウェディッシュマッサージの歴史」 

現在、欧米で行なわれているマッサージは、スウェディッシュマッサージにその源の一つがあると言われている。

スウェディッシュマッサージの基礎を作ったのは、ピーター ヘンリック リング(1,776~1,839年)である。彼は、医者であり且つ詩人でもあった。

23歳の時に、フェンシングの練習を開始し、その練習を通じて、身体動作について様々の事を学び、最終的には、今日「スウェーデン体操」と呼ばれている、健康と治療のための体操を作り上げた。

「病気に対する受動的な体操」として、彼はスウェディッシュマッサージを作り上げた。

(つまりスウェディッシュマッサージは、治療体操の一分野としてスタートした。従って今でも、慰安と言うよりも、治療的な要素が強い)。

その後、19世紀後半から20世紀にかけて、ヨーロッパではオランダや、ドイツでマッサージにたいする研究が進められた。

又、アメリカにも、スウェーデンからの移民によってマッサージがもたらされ全国に広まった。こうした歴史を経て、欧米のマッサージは、現在に至っている。 


 2「スウェディッシュマッサージの特徴」 

1 術者の姿勢にこだわりがある。

  フェンサー ポジション Fencer Position(フエンシング選手の姿勢)

  ライダー ポジション  Rider Position (乗馬の姿勢) 

  (術者の疲労を出来るだけ節約し、体を壊さないに為に、上記の姿勢を、まずきちんと  マスターすることが大事)。  

2 施術中の、術者の重心移動、(腰の使い方)に特徴がある。

3 方向は基本的には求心性であるが、時に方向が、行きつ戻りつ、マッサージする事があ    る。

4 オイルの量は、他国のものに比べて少なめに塗る。 

  (強めにマッサージする時に、手が滑り過ぎるのを防ぐため)

5 テンポは、他国のものに比べてゆっくりしている。


  3「基本的な施術順序」 

1 腹臥位 

  背部と腰→首→ 頭→臀部→下腿→大腿 

2 仰臥位 

  腹部→上腕→ 前腕→足→ 下腿→大腿→胸→顔


4 「施術者の手指と体を痛めない方法」

1)    体を痛めず施術する方法

a) ベッドの高さ

施術者、ベッドの側面に立ち手を自然に垂らし、指先がベッドにつく高さが標準。(但し、各施術者の体格や姿勢、力の入れ方の好みによって最適な高さは異なってくる。要は、自分の体を痛めず、より少ない力で施術出来る高さを各人が捜すことが必要)。

b)進行に伴い小まめに自分の立つ位置を移動し、背中が丸くなるのを防ぐ。

背中が丸くなってしまうと、自分の体重をうまく利用できず、肘や肩関節を痛め易くなる。

c)手指のみで施術しない(出来るだけ前腕、肘など体の他部位も使うようにし、オーバーユースによる障害を防ぐ)。

d) 手が自分の正中線上に出来るだけ近い方が、楽に力を出せるので、体をまめに移動して、適切な距離を保つ。

e) 指、手、肘、肩など関節部のアライメントを出来るだけ崩さない位置で実施する。力まない(力を抜いた方が、力が出る)。

F) リラックスして行う。その方が体を痛めない。(また、施術者の緊張は患者に伝わり、心身の余分な緊張を生じさせてしまうので注意)

2)    施術者の体の作り

A)施術前後のストレッチ

手関節 肩関節 胸部 頸部 腰 下肢を重点的に。

B)トレーニング

手指、手首、前腕など筋トレを普段から行っていること。下肢と体幹安定の為、スクワットや腹部深部筋トレーニングを普段からしておくこと。